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◆◆◆
「おいアルカス、あれはどういうことだ」
「これはこれは、軌跡君。おっと、今はミラレス君だったね」
「いつも通りのムカつきをありがとよ。で、あれはなんだ?」
「世界の亀裂のことだね。ついさっきなのだが、君のいる世界はパラレル化してしまったんだ」
パラレル化……つまりはあの揺れが分岐点だったということか。
「それで、上司から通達があってね……残念ながら片方を潰さなければならなくなった」
……はぁ!?
ふざけんなよ……。
「確かにあの世界ごと生命は消え去るだろうね。ただし、君は元々あの世界の住人じゃない。だから君は消えない。消えることが許されていない」
「……自分だけ残るっていうのは気持ちのいいものではないな」
しかし、今の自分が何かを出来るわけじゃない。
「そんな君に朗報だよ。すこし前に不思議な世界が出来た。そこに行ってきてもらうよ」
「はぁ!?」
「帰ってきたらもう片方が矛盾しないように、存在定義を変えて私の部下になってもらおうと思ってる。決定事項だから覆せないからね」
「え?」
「色々な要項は既に君の頭の中だ。じゃ、いってらっしゃい」
パカッ
「え……ちょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
簡潔に説明する。
落下した。
一応、また転生ってことになるのか?
……戻ってきたらとか言ったから転送だな。
そんな事を考えながら、俺は落下していった。
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