ライセンス

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身辺警護、広範囲殲滅型サイボーグ。生きていた人間の死体から作られたサイボーグ、名をライセンス、それが私だ。科学の発展により増加する犯罪に対抗するために作られた存在だ。 「サイボーグ 001 仕事の時間だ。出ろ」 「了解、職務を開始します」 と言い、私は搬送車からでる。爽やかな日差しに身体をさらし、軽く手足を動かしてあちこちの点検を開始する。その時間はだいたい三十秒ほどで完了し、青色の制服を着た警察官の男に確認する。 「質問。今回はどのような事件なのでしょうか?」 「そこのビルに人質をとって犯行グループが立てこもってる。サイボーグ001 即時、敵対勢力を排除しろ」 「了解。質問を、敵対勢力は殺害可能ですか? それとも生け捕りですか?」 「殺害可能だ。ただし、人質は傷つけるな。無傷で捕らえろ。もう質問はないよな?」 「完了。敵対勢力を殺害し、人質を救出します」 と言い私はビルに視線を向ける。人質をとって立てこもる、なんて非効率的な行為だろう。仮に身代金を要求したとしても逃げ切れる確率はひどく低い、いや、犯罪を起こした時点でほとんど終わってるのか。調子に乗った馬鹿共だ。 「警告。警備隊の皆さん、これより一方的な殲滅を行います。人質の人命保護につとめますが、貴方達は人質ではないので巻き込まれても責任はとれません」 防護服を着てシールドを構えていた警備隊が下がって行く。私はそれを確認することなく進む。敵対勢力には警告は不要だ。 ガシャッと両手を広げて、目視により標準を合わせる。窓際に居るの敵対勢力の下っ端が二人、人質は室内の奥のほうか、この場合は人質を窓際に立たせてれば特攻の妨げになるのに、まぁ、私にはそんなことは関係ない。下っ端共が私に気がついた。 「発砲。射殺します」 指先に内蔵された弾丸を発砲、下っ端共の脳てんに風穴を開け血飛沫を吹き上げて倒れる。それよりも早く、突っ走り壁に手をかけて身体を持ち上げ、窓の淵に足を引っ掛けて上る。登る。登る。登り、窓ガラスを突き破って室内に侵入する。脳天を打ち抜かれて死亡した下っ端共を踏みつけて壁を蹴り、突撃してきた敵対勢力の一人の顔を掴み、そのまま握力を全開にして頭蓋骨ごと粉砕する。顔のあちこちから血液や脳漿が吹き出し、グシャリッと頭蓋骨が潰して、そのまま振り回す味方の死体を武器に襲って来られたのに驚いた
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