ライセンス

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乗り込むための足場にむけて鞭を振るう。バンッと音がして離陸を邪魔されたヘリコプターの機体が左右に揺れる。 私はその隙を逃さずにヘリコプターのプロペラの真上に移動し、空中に浮遊したままプロペラを鷲掴みに無理矢理、回転を止める。浮遊する力を失ったヘリコプターがゆっくりと降下を開始、機内から敵対勢力の叫び声が聞こえてくるがヘリコプターの狭い機体では真上にいる私を攻撃することは難しい。このまま地面に下ろすのもいいが、命令は敵対勢力の根絶やし、ここで生かす意味もない。握力を全開にしてヘリコプターをジャイアントスイングの要領でグルングルンと回す。回す。とにかく回してそのままビルの屋上に叩きつける。機体が破損し炎上しそうなヘリコプターに近づき、内部を覗き込む、ヘリコプターを振り回したさいに目を回したのか敵対勢力が私の顔を見て一気に青ざめた顔をした。なにやら口々に言っているようだけれど、 「命乞いは不要です。貴方達には明日はありません」 にっこりと笑いながら、へこんで開かなくなったヘリコプターの扉を無理矢理、こじ開けてそのうちの一人の頭を掴み、そのまま引きずり出して、ジュースの蓋でも開けるように首を回し捻り殺害、絶叫して逃げ出そうとしのパイロットの背後から足に一発、弾丸を撃ち込んで、身動きをとれなくしておく、撃ち抜かれたパイロットの悲鳴をBGMに残りの残党を殺害しようとしたが、部下の男が軽機関銃を乱射してきたけれど、その弾丸、一つ一つを指で受け止め、同じように打ち返す。蜂の巣になった部下の血飛沫を浴びながら、おそらく敵対勢力の親玉らしき男が涙ながらに懇願する。助けてくれ、殺さないでくれとなんて陳腐な台詞なのだろう。そういえばこの前、読んだ雑誌にこんな台詞があった。 「人質に助けてくれと懇願されたとき、お前はどうしたんだ?」 と、言う。親玉の男が涙を引っ込め喉を震わせながら叫んだ。 「あ、悪魔!! 地獄に落ちろ!!」 懐から取り出したナイフを持って男が突進してくるが、恐怖に支配された男の突きなんて避けるなんて赤子の手を捻るよりも簡単けれど、 「落ちるのはそっちです」 あえてナイフを受け止め、手のひらにナイフが突き刺さる、根本までざっくりと刺さったナイフをそのままに男の手を強く、強く握りしめる、骨が砕け肉が裂けて男の絶叫がこだまするが、まだ、終わりじゃない、この程度では終わらない。
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