旅行

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ほんとは、分かってたし。 そうじゃねーのかって、薄々感付いてた。 でも、認めたくない気持ちと、信じたくない気持ちとがあって。 だってそうだろ? お前は俺の。 数少ない、本当のダチの一人なのに。 「っ………、」 簡単に侵入を許してしまった舌が、 息をつく間もないほど、激しく攻め立てて来る。 短く呼吸を繰り返しながら、何度も深くまでキスをしてくる真司を、 俺は両腕で押し返そうとした。 けど。 「っは……はぁ……ま、」 待て。 なんて、全く聞いちゃいねぇ。 貪るようなキスに、体の中がジンジンと痺れて行くようだ。 すぐに上がった体温は、 真司の手が直に肌に触れる度に、ますます上がって行くようで。 なんで、服着てねぇんだよ、俺。 上半身裸の俺の体に、 真司の手は遠慮も躊躇いもなく触れて来る。 「……っおい、真司!何考えてんだよお前!?」 やっと食いつくようなキスから解放され、 俺はここぞとばかりに声を張り上げた。 「ヤれるんでしょ?」 俺を見下ろしながら、冷たい笑みを浮かべる。 軽蔑してるようなその目を見ると、 返す言葉が咄嗟に出なかった。 「なら、俺が抱いてあげるよ。」
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