一.先生の家

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次の日もやっぱり、公園にいた。 家には帰れないし、……他に、行くところを知らないから。 ……また、昨日のように声を掛けられたら、どうしよう。 多少びくつきながらも、 やっぱりブランコに座っていることしかできなかった。 その次の日も、また次の日も、公園でブランコに座り続けた。 声を掛けられる恐怖はあったものの、 日課を変えることはできなかった。 ――そのまま、あの日から一週間が過ぎた。 「君、ひとり?何してるの?」
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