一.先生の家

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私をベンチに座らせると、先生はスーツの上着を私に掛けた。 ……いままで、気付いてなかったけど、私の体、震えてた。 初めて怖くなって、掛けてくれた上着の襟をかき合わせた。 「……飲め。落ち着くから」   近くの自販機で買った、温かいミルクティーを渡してくれた。 手が震えてうまく開けられないでいると、 黙って開けてくれる。 飲むと、少しずつ震えがおさまっていった。 「あのままついて行ったら、どうなってたか、 わかってるのか」
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