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それから、必死に勉強してやっとの思いでこの高校に入った。
バレーボールと出会ったのは、いつだっただろう。
・・・全日本の、試合だったっけ。
オリンピックの出場権を賭けた、大事な一戦。
フルセットまで持ち込んで、更にスコアは18対18。
15点先取だというのをとっくに通り越して、取って取られての繰り返しだった。
スパイクが決まれば、向こうもスパイクで決めてくる。
互いの意地と想いが激しくぶつかり合っていて、すごい試合だったのを覚えている。
そして、20対19。
あと1点。あと1点でオリンピック出場権を獲得できる。
テレビの前からでも伝わってくる緊張。
深く息を吸って、日本の選手がサーブを打つ。
相手は、セッターにAパスを返した。
そして、そのボールの行き先は大エースへ。
力強く床に叩きつけられそうになった時。
スパイクのコースを読んでいたリベロが、正面でボールを受け止めた。
確実にセッターに返されたボールは、こちらも日本のエースに託された。
助走距離を確保し、大きく腕を振った。
ボールの芯を捉えたそのスパイクは、ドドン、という大きな音を立てて、床に落ちた。
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