第二章 二回目の出会い

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結局あのあと、右隣のやつが話しかけてくることはなかった。 俺がうんともすんとも言わないから諦めたのだろう。 …わかっている。 似ているという理由だけで、転校初日で緊張していて頑張って新しい学校に溶け込もうとしている転校生に対して無視という最悪の扱いをしてしまったことには反省している。 俺だったら相当へこむだろう。 少なくとも三日は立ち直れない。 彼の悲しそうな顔を横目で見たときは、こころなしか心がズキッと痛んだ。 しかしだ。 あんな太陽みたいな男に常に日陰にいた俺が急に話しかけられたんだ。その気持ちがわかるか。 驚きと混乱の結果、無視した挙句に睨んでしまった。 俺だって最低限よろしくくらいは言おうと思ったんだ。しかしそれすらも言えなかった。 隣の彼は何も悪くない。これは俺の問題だ。 しかし太陽が嫌いなんだ。 ああいうやつが一番苦手なんだ。仕方ないじゃないか。 すまない…心の内で謝っておくからどうか許してほしい。
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