第二章 二回目の出会い

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◆◆◆◆◆ 「今日は夜に台風が直撃するらしいから、出歩かないように。早く帰って勉強するように。以上、号令。」 荒木先生のこの言葉とともに、みな席を立ち、思い思いの場所に向かう。 俺の場合は学校が終わると、そのまま予備校に行く。 これが俺の日課だ。 転校生が来ようと、 台風が来ようと、 変わらない。 自転車に乗り、予備校へ向かう。 大好きなLisa Loebの曲を口ずさむ。 俺が唯一好きな歌手だ。特に「Ido」なんか最高。 是非みんなに薦めたい。 友達いないけど。 自転車を降りたら、イヤフォンをして、外界と自分を遮断する。 いつもやっていることだ。 受付や人波を通り越してエレベーターに乗る。目指すは三階の医大進学クラスだ。
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