第二章 二回目の出会い

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◆◆◆◆◆ 予備校の休み時間。 みんながおしゃべりしている中、机に臥せて音楽を聞いていると、誰かが俺の肩を叩いてくる。 はぁ。 心の中で溜息をつく。面倒くさい…フリだ。 実際は喜んでいる。しかしそんなところは億尾にもださない。 いつも通り一回目は無視。 そして二回目が来たところで起きる。 それを待つ…しかし…来ない? 思わず顔をあげたところ、左の頬を突かれる。 「へー。けっこう柔らかいんだね。御曹司くん。」 俺は左耳のイヤフォンだけを外して一度溜息をつくと、彼女の目を見て怠そうにいつも通り、一言。 「うるさいぞ、木村。俺はいま…。」 「ねえねえ、いつも思ってたんだけどさ、なに聞いてるの?ちょっと失礼。」 「おい、こら…。」 俺が止める暇もなく、外してあった左耳のイヤフォンを僕から奪い取り、自分の左耳につけた。 柄にもなくドキドキしてしまった。 いま俺は木村と…って余計なことを考えてはいけない。
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