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◆◆◆◆◆
予備校の休み時間。
みんながおしゃべりしている中、机に臥せて音楽を聞いていると、誰かが俺の肩を叩いてくる。
はぁ。
心の中で溜息をつく。面倒くさい…フリだ。
実際は喜んでいる。しかしそんなところは億尾にもださない。
いつも通り一回目は無視。
そして二回目が来たところで起きる。
それを待つ…しかし…来ない?
思わず顔をあげたところ、左の頬を突かれる。
「へー。けっこう柔らかいんだね。御曹司くん。」
俺は左耳のイヤフォンだけを外して一度溜息をつくと、彼女の目を見て怠そうにいつも通り、一言。
「うるさいぞ、木村。俺はいま…。」
「ねえねえ、いつも思ってたんだけどさ、なに聞いてるの?ちょっと失礼。」
「おい、こら…。」
俺が止める暇もなく、外してあった左耳のイヤフォンを僕から奪い取り、自分の左耳につけた。
柄にもなくドキドキしてしまった。
いま俺は木村と…って余計なことを考えてはいけない。
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