第一章 初めての出会い

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俺は親父の敷いたレールの上を何も考えず歩く毎日。 学力はトップ。 内申点も申し分ない。 自惚れじゃないがこのまま行けば俺は親父の期待通り医者になり、病院を継ぐことになるだろう。 それで良いのか。 そんなんで良いのかって考えたことは何度もある。 だけどさ、しょうがないんだよ。 運命には抗えないんだ。 俺は医者にならなきゃいけないんだ。 それに他にやりたいことがあるわけじゃない。 今まで勉強一筋で部活も趣味も特にない。 やりたいことが見当たらないんだ。 もし。 万が一。 億が一。 やりたいことが見つかったとしても俺はその一歩を踏み出さないだろう。 そんな勇気もない。 俺は情けない。 みんなに羨ましがられるけど、それは結局は他人の評価で。 自己評価は最低点。 どんなに勉強ができて、将来有望でも。 最低だ。
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