第四章 難題

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そのとき、もう一人のクラス委員が口を開く。 「はいはい、ちょっとみんな一旦落ち着こうか。」 うちのクラスのマドンナ、矢島陽子だ。 硬式テニス部で輝かしい成績を残し、成績優秀で文武両道。明朗快活で友だちも多く、容姿端麗の才色兼備ときている。 新三年として4月に学校生活が最スタートし、すぐに行われたクラス委員決め。 まじめがね君は立候補で決まり、女子の立候補者がいない中、男子からも女子からも人気の矢島が自然と推薦され、本人も了承の末決まったのだ。 矢島の声でクラスは落ち着き、出し物決めが再開される。 「とりあえずメイド喫茶ね。みんなの賛成反対はあとで聞くから、とりあえず今は保留ね。」 矢島がうまく場を収めると、まじめがね君が黒板に、今までの意見に書き加える。 改めて黒板をみると、さまざまな候補が出たものだ。 みそ田楽やおでん、ソフトクリームなどの飲食。お化け屋敷や映像発表、演劇、合唱などの発表系。ほかにもいくつかあるが、ふざけた意見も多く、ノリで発言した意見もある。 ちなみに俺は今のところ意見をひとつも出せていない。ちゃんと話は聞いていて考えてはいるが、特に思いつかないのだ。 堤は俺と違って、楽しそうにいくつも意見を出していた。 巨大ドミノとか、巨大ジェンガとか。なぜか巨大系で攻めていた。危なすぎてその場で却下されていたが。
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