第四章 難題

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そして話し合いの末、最後に出た意見で賛成反対を募ったところ、うちのクラスは執事喫茶に決まった。 男子も女子も執事の恰好をしてやるのだが、それだけではなく、料理が得意な女子を中心に軽食などを作って出すというものだ。 今回は、いま流行りの”映え”を狙うらしい。 もちろん執事役のウェイターや調理担当などいろいろな係があり、だれがどれをやるか決めなければならないのだが、時間もなくなったので、後日クラス委員が振り分けて、発表をすることに決まった。 そして後日発表があり、俺は無事、調理担当になった。無事かどうかはわからないが。 ちなみに堤はもちろん執事だ。イケメンだからな。集客にはもってこいだ。ついでに矢島も執事になったらしい。 係が発表されたとき、うちのクラスの美男美女が執事をやるとなれば、売り上げは一位もらったな、というような声がちらほら聞こえた。 そういえばほとんど関係なかったので、記憶から抹消されていたが、うちの文化祭は、二日目の最後に二つのランキングの発表がされるのだ。 その二つとは、売り上げ部門とパフォーマンス部門に分けられ、売り上げ部門は金銭を使ったやりとりがあるクラスの中で、一番売り上げが多かった団体が表彰される。クラスもそうだが、部活で出しているところもある。うちのクラスはこちらにエントリーすることになるだろう。 パフォーマンス部門はアンケート用紙による投票で一番票が多かったところが表彰される。もうひとつと同じでクラスと部活が該当する。例年でいえば、ダンスや演技、合唱、吹奏楽部の演奏、バンドのなどが含まれる。 そして忘れちゃならない、今年は俺たち『よさこい部』もここにエントリーすることになる。
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