第四章 難題

20/29
前へ
/88ページ
次へ
うちの学校は競わせることが校風なのか知らないが、小野塚先生によると、うちの学校が設立したときから、このコンテストはあるらしい。 ちなみにこの二つの部門で一位になった団体は、特典として、部費二万円分もらえるらしい。 高校生からすればかなりの高額だ。パフォーマンス部門は別として、売り上げ部門にはその賞金とは別として、大なり小なり売上金が出るわけだが、食材費などに充てて余った分は、学級のお金として使ってよいということになっている。 こういう理由で、毎年各団体が一位を狙い、しのぎを削っているというわけだ。 うちの学級も出し物の内容が決まったので、各係のリーダーを中心に少しずつ準備を進めていくわけだが、もちろん俺と堤は自分たちのほうにも専念しなければいけない。 同時並行で進めるというのはかなり大変だが、一度関わってしまった以上、途中で逃げるのはありえない。とにかくやるしかない。 残り三か月をなんとか乗り切ろう。 俺は大変さを感じながらも、内心、いつもと違う龍國祭に少しワクワクしているのだった。 そしてとうとう今日から、よさこい部の活動が始まる。
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加