第四章 難題

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堤の指名に俺は立ち上がって、女子生徒たちのほうに身体を向けて口を開く。 「葛城信也、高三だ。よろしく。あと堤、一応訂正しておくが、まだ同好会だから部活じゃない。」 「なんだよ。いいじゃん。ぜったいに部活にするんだから。信也のケチ。」 「おい、ケチとはなんだケチとは。」 まったく。訂正しただけなのにひどい言われようだ。まあ、その考えを否定はしないが。 その後もお互いぶつぶつと言い合いをしていると。 「ちょっと、先輩方、まだ私たちの自己紹介がありますよ!」 意外にも女性生徒Aが俺たちの小競り合いを止めてきた。これは見込みありだな。 「ごめんごめん。あ、ちなみに信也は副会長だから。よろしくね。じゃあ次は佐藤さん、お願いします。」 佐藤と呼ばれた女子生徒Bがおどおどと立ち上がり、下を向いて自己紹介を始めた。 「佐藤あや…です。よろしくお願いします。」 そう言うと、Aに隠れるようにサッと座ってしまった。かなりの恥ずかしがり屋のようだ。先輩の男子生徒に話すというのも緊張している要因なのだろう。気持ちは…わかる。 「ありがとう。じゃあ次は、有栖川(ありすがわ)さん、お願いします。」 有栖川と呼ばれた女子生徒Aはさきほどの佐藤さんと打って変わってすっと立ち上がると、はきはきと話し始めた。 「有栖川れいなです。高二であやと同じクラスです。足を引っ張らないように頑張ります。よろしくお願いします。」 笑顔でよく通る声で挨拶をすると、頭を下げ、着席した。
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