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本棚に追加壱成のリクエストは『チーズインハンバーグ』。
アサキのリクエストは『油淋鶏』。
サトリのリクエストは『キンキの煮付』。
颯は『パクチー無いなら何でもいい。でも野菜と魚介が沢山食べたい』。
「お前らホント遠慮なさ過ぎ」
せめて和洋中統一するとかさ、そういう配慮は無ぇのかよ!とルンは文句を言いつつ。
さすが手馴れた様子で全ての料理の仕込みを始める。
「――で。アイダさんは油淋鶏自分で作って」
「え~!!俺ゲストなのに?」
「俺ハンバーグとキンキで手一杯だからさ。いやなら颯君に作ってもらうか?」
「あ!アイダちゃん!俺やるやる!」
颯が手を出そうとしたら。
アサキは少し困ったような顔で、
「ありがと颯ちゃん!――俺、自分で作るから大丈夫だよ?だから颯ちゃんは、コブサラダをお願いしていい?」
「あのさ…。さっきから聞きたいと思ってたんだけど。コブサラダって…――何?」
「うんとね。颯ちゃん――居間で休んでていいよ?」
と言うアサキの笑顔を確かめて。目が笑ってないぞアイダさん、とルンは苦笑いした。
散々食べて飲んだ挙句。
上の4人はその場の床で酔っ払ってダウンしてしまったから。
「そりゃあやってる間は楽しいだろうよ…」
コンサートでもパーティでも、跡形も無く片付けるまでが、夢を見せるっていう仕事の大事なワンパッケージなんだぞ、とルンは苦笑いしながら、キッチンで片付けを始めた。
油汚れをキッチンペーパーで拭き取ってから、
食洗機に皿とコップを並べる。
不意に背後に気配を感じて振り返ると。
「――手伝うよ?」
「リーダー」
サトリが少々困ったように笑いながら、ルンの隣に立った。
「ルン。お前さ…一番下のくせに気ぃ遣いすぎ。水臭い」
拳で肩をトン、っと軽く小突いて。
「せっかくのパーティで大好きなワインも飲めなくて、忙しく皆の世話して、注意して――ってホントは俺の仕事なんだよな――ゴメンなルン。あと…有難う。今日は楽しかった」
シンクの前で、洗剤を付けたスポンジを持つ手を握ったり開いたりして泡が立つのを待っている。
その顔をルンに見せようとしないのは、柄にも無く言った言葉に照れているからだろう。
サトリが全員を眺めて笑いながら、グラスに殆ど手を付けていないことに月は気付いていたけれど。

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