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異能使いは感情を捨てた
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2014年8月18日夜 新潟県
空中を輝きながら飛来してくる物体が一つ
見た者のほとんどが隕石だと思っただろう
物体は山奥に落ちた
物体は知能を持っていた
物体は自らの一部で大小無数の紅い欠片を造り飛ばした
そして人々に力を与えた
仕事を終えた物体は鼓動するように赤く光りながらきたるべき時が訪れるまで意識を閉ざした。
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とある日の朝
"ズキューん ズキューん ズキューん"
「んー 朝かー 」
ピストル型の目覚ましを止めベッドから体をお起こす。
カラダがいつもよりだるい
クーラーを18度にして寝ているのだから当たり前と言えば、当たり前だ。
もう一眠りしたい気分ではあるが、今日も面倒な朝練がある。
面倒なら辞めればいいじゃないか、と思うかもしれないが部長となってしまっては、今更辞めようにも辞めれない。
いつも道理に朝ごはんを食べ 歯を磨き 制服に着替え 自転車で学校に向かう。
炎天下の中10分ほど進むと、自転車で行くには少しばかり不便だろうと思うほどの丘の上に学校が見えてきた。
『夢ヵ丘高校』
それが今通っている学校の名だ。
部活動 特に運動部が盛んで、毎年多くのインターハイ入賞者を出している名門高校だ。
その為毎年他県から多くのスポーツマン達が入学試験を受けに来る。
その数は、合格者数の7倍までにも昇る。
試験内容はスポーツテストのみだ。
内容は競技種目ごとに違うわけではなく、全員同じ試験をすることになっている。
そうして合格したものは、元々していた部活動にかかわらずほかのどの部活動でもして良いことになっている。
「よいしょ」
自転車を停め校舎に入る。
長く続く廊下を歩き天井のない開けた場所に出る 下は芝生 少し前方にはたくさんの的が並べられている。
ここが俺が部長を務める【アーチェリー部】だ。
「おはようございます 朝陽部長」
続いて「おはようございます」といくつもの声が聞こえてくる。
「うん おはよう」
俺 朝陽(あさひ) 緋秀(あけひで)は中学時代にボクシングをしていた。
ボクシングでは中学生としては、トップクラスの実力だった。
そんな俺が何故そのままボクシングをせず、アーチェリーをしているのかというと、昔一緒にボクシングをしていた親友との会話がきっかけだった。
「ねえ緋秀ってさなんでボクシングはじめたんだっけ?」
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