Ⅴ 募る嫉妬

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出来たばかりだ。 まるで昨夜か いや――今朝かもしれない。 血管が透けるほど薄い肌に とにかく昨日今日 出来たばかりの赤い痣。 「昨夜僕と別れてからどこかへ行った?」 「まさか。いい子にまっすぐお家に帰りましたよ」 食い入るように見つめる 僕の視線に気づいてさえいないのか。
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