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「つまり……」
カレは少し言いよどんだ。
「その人は、半年後には死ぬということ?」
「カードをもらったのがいつかは聞いてない。もし半年も前だったら……」
「その人は、なにか持病であったの?」
「ううん。若い男の人だった。おとなしい人だったけれど、とくに体が悪いわけではないようだった」
「それでも、半年後には死んでしまうのかい?」
「たぶん」
「だとしても、でも、どうしようもないだろ? リミットカードの話が事実だとしたら、死からは逃れられない。」
「死ぬのは止められない。でも……」
「知らないほうが幸せかも」
カレは悟ったように言った。
「わたしもそう思った。けど……」
わたしは一度うつむいて、それからカレを見る。
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