12人が本棚に入れています
本棚に追加
「レンタルフレンドを依頼してきたのよ。その人には、なにかを相談したり、気持ちを共有したりする人がいないということなの。それがどういう状況かわかるでしょ?」
「とはいっても、知らせてどうするんだ? それを知ったところで、死を避けることはできないんだろ? そんなことを急に言われたら、なにをしでかすかわからない」
「たぶん、そんなことをしない人にしか送られてこないんだと思う」
「それは仮定の話だ。それに一度きりしか会わない人に、そこまで思い詰めなくても」
「わたしは会っているの。たった1時間だけれど」
「…………」
カレは少し考え、会話を締めくくるように言った。
「もう、こたえは決まってるんだろ?」
わたしはカレを見つめる。
そうなのだ。わたしは迷っていたのだ、と気づいた。
最初のコメントを投稿しよう!