第14話 運命の人のハンカチ……

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´  洗面所で真弓がうがいをしていると、 「おはようございます、真弓先輩!」 紀美子が元気よく声を掛けてきた。 「ぁぁおはようさん、紀美ちゃん」 「先輩、近頃なんだか元気ないですねぇ?」 「ガラガラガラァァ…………ぺっ あ~~さっぱりしたがぁ。   分かるぅ紀美ちゃん」 「そりゃぁ分かりますよ、先輩の顔を見ればね。 先輩はすぐ表情に出てしまいますからね。 同郷の彼氏と喧嘩でもしたんですかぁ?」  紀美子は真弓を覗き込むようにして訊いていた。 「何よ覗いて……。 ふ~~っ喧嘩ならまだ増しじゃよ」 「増しぃ……分かった! その同郷の彼氏に女が出来たんだ。……でしょう?」  おたおたする真弓は、 口元を拭こうとポケットからハンカチを取り出し、手に持った。 「紀美ちゃん、話題を変えるがね……」 「はい。どうやら図星のようですからね。 話題と言えばほらっ、先日のカラオケ屋の怪人。 あの、アッカンベ~~お尻ペンペンって奴」 「え、そのお尻ペンペンが、どげんしたがね」  それ以上におたおたしながら、 真弓は口元を拭き拭き尋ねていた。 「その怪人は女性でね……。 あれぇ~~真弓先輩どうしたんですか、その男性のハンカチは?」 「えっ、男のハンカチィ?    あららほんとだょ」 「真弓先輩、先輩も隅に置けませんよ~~っ。 それが彼氏との喧嘩の原因じゃ?」  真弓は何気なしにハンケチの匂いを嗅いでみた。 「クリーニング出したのにね。知らずのうちに洗われちゃったみたいじゃね。 じゃけんど、このハンケチいい匂いするがねぇ」 「もぉ、先輩お止しなさいょ……ん、どうしたのですか?   ぅわっ先輩っ!」 ´
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