第1章

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豆男は車の後ろに積んでいる、特大の釜が心配だった。 豆男は被災地に行ったときのことを回想していた…。 (…あのときあの地に出向いたのは間違いじゃなかった。最低限のコスト、一見やりたくないことをしてみせる勇気、今思ってることが自信になれば…) 一部の地域が被害にあったことは、可哀想だとか、そういう問題でもなく、ましてや他人事でもないと、豆男は思ったが、皮肉なことに、『他人事』というのは、距離があればあるほどその言葉は正当化され得るな、と豆男は思った。
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