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そう、昨日までは普通に今まで通りの生活、自由奔放に部屋に引き篭もっていたんだ。
午前三時くらいまでネトゲして、十二時半まで寝て起きて飯食ってネトゲして、なのにだ、何故起きたら見知らぬ部屋にいるのだろうか。
「謎です、はい」
思った事を呟き、とりあえず寝ようと思い布団に潜ろうとしたその時。
「なんでそうなるんだッ!?」
怒声とともに謎の衝撃波が俺にぶち当たり、そのまま体を壁に叩きつけられた。
「おぉう……。レバーがぁ」
もうね、激痛ですよ。
気付いたら内臓と背中と頭と、早い話が全体痛い。
「いや、おかしいだろッ! なんで寝ようとしたッ!! どういう思考回路しているんだッ!?」
俺に追い打ちをかける様にさらなる怒声が俺に襲いかかる。
煩いなぁ。
「お嬢様、人は人だよ? いくら他人でも、いきなり否定するのは良くないと、俺は思うね」
のっそりと、ねっとりとした視線を声のした方に向け、うつ伏せになりながらそう言った。
「はあ? 働かない、バイトもしない、家事すらまともに出来ない。ただ、残飯をくらい寝るだけの豚に、人権なんてある訳ないだろ」
彼女は親の仇を見るかの様な、いや、生ゴミを見るかの様な視線を俺に向ける。
というか、貴女口悪過ぎるでしょう。
俺がげんなりとしていると、ポツリと。
「僕は男だ」
俺に聞こえるか聞こえないか位の音量で呟く様に、そう言うのだった。
「へぇー、そうなんだ。凄いね」
てかさ、やっぱりニートも人権は、いや、魔王じゃね?
魔王も同じじゃね?
なるほどな、俺は魔王だったのか。
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