小さな嘘

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半ば強引に押し掛けた天野先生の自宅。 「あまり綺麗じゃないので恥ずかしいなぁ。」 申し訳なさそうに来客用のスリッパを出してくれた。 「そんなに気を使わないでください。」 と言いながらリビングに行くと目が点になった。 ソファーに無残に投げられた洋服。 散らかった雑誌やゲームのソフト。 食べ終わった食器が山積みなキッチン。 「…先にお掃除からですね。」 「ですよね。」 亜季は腕捲りをして散らかっている洋服を集めた。 「洗濯機はどこですか?」 「あっ僕がやりますよ。」 「分担した方が早いですから。」 案内された洗濯機に洗剤と洋服を投げ込んでスタートボタンを押した。
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