第5章

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そして、俺から彼女へと視線を切り替えて、 「あ、連れの人……彼氏さん?」 と、聞いた。 「え?ううん、そんなんじゃないよ」 彼女は顔を左右に振り否定する。 「そっか、いきなり足止めしてすみませんでした」 ケンちゃんは俺にペコリと頭を下げる。 「あ、いえいえ、懐かしの再会みたいだから俺、外そうか?」 二人に向けて言うと、 「いえ、俺も連れがいるんで。あ、若菜これ俺の名刺、後でまた連絡してよ、それじゃ」 と、俺と同様に会話に入れずにいる連れの男を親指で指さして、再び俺に小さく頭を下げて立ち去ろうする。
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