第5章

12/40
前へ
/40ページ
次へ
「あ、うん、わかった、今夜にでも連絡するわ」 「うぃ」 手をヒラヒラさせて去っていくケンちゃんを見送ると、彼女は、 「高坂さん、ごめんね、高校時代の同級生だったら思わずテンション上がっちゃった」 と、いまだ興奮冷めやらぬ様子で言う。 「ううん、ケンちゃんは元カレ?」 再び肩を並べて歩き出す。 「え?全然、ケンちゃんを男と意識したことはないよ、よく一緒に学校さぼったり、悪ガキだったころの仲間みないな感じかなー」 「そうなんだ、小早川さんって昔ヤンキーだったんだ」 どことなく、そんな雰囲気が今でもあるような気がする。 「はぁ?ヤンキーじゃないしー」 と言う彼女は、俺にヤンキー顔負けの睨みを効かしている。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

221人が本棚に入れています
本棚に追加