第5章

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「うわー、悪女め」 「悪女って言い方やめてよ、せめて小悪魔くらいにしてよ」 「ぶ、悪女と小悪魔ってそんなに違いある?」 「あるよ、小悪魔の方が可愛い感じがするでしょ?悪女は、うーん、そうだね、わかりやすく言うと、ほらあの秘書課にいた青山亜美みたいな人のことを言うのよ」 「はは……、そうだね」 亜美の名前を出されて一瞬戸惑いながらも返すと、彼女は俺の戸惑いに気付いたのか、 「あ、ごめんなさい、それは言い過ぎかもね」 と、自分の言った言葉をたしなめると、手鏡をパタリと閉じた。 そして、俺をじっと見て、 「もうあの人とは何もないの?」 と、聞いてくる。
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