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「ああ、あいつは結婚したし、それから連絡もなけりゃ会ってもいないよ」
小さな嘘をついた。
「そう、ならいいけど……って、私が言うのもおかしな話だけど、あの人はあなたの人生を弄んでいるようにしか見えなかったから」
心配そうに張り詰めた眼差しで言う彼女に、
「ああ、もう亜美とは関わることはないよ」
と、笑顔で返した。
この間、渡瀬と飲んでいる時に偶然亜美に会ったが、そのことは彼女には言わなかった。亜美の名刺も捨てたし、言う必要もないと思ったから。
彼女は愛莉から亜美の話を聞いているのだろう。だから、亜美に対して良い印象がないのだろう。
そんなやり取りをしていると、目的地である新宿に到着した。
適当に空いているパーキングに車を止めた。
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