第2章

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こんな風に、風景に見惚れる奴はイケメンと相場が決まってる! しかも桜だぜ、桜! 桜が似合うといえば、イケメンまたは美少女または死体だろっ。 最後のやつはホラーになっちゃうから勘弁だけど。 認めよう、俺はコイツに興味がある。 見惚れていたわけじゃないんだ! だって、気になるだろ? 男で、しかも制服見た感じ、同じ高校の奴で、 そいつが桜に魅入ってて。 魅入るっていうのは、美しいものを美しいと感じる心があるってことだ。 でもさ、それって結構恥ずかしいよな。 俺だって桜を綺麗だとは思うけど、じっくり観賞するのは人目が気になってなんとなく気恥ずかしい。 でもコイツはそれを堂々とできるんだな。   「........すげぇ....」 小さく、思わず口に出した言葉に。 そいつは振り返った。 「あ........」 目が合った........ように思えた。 ダサい黒縁メガネのせいで、そいつの目はよく見えなかったのだけど。 も、もさい..........。 振り返ったそいつは、何かモサっとしてた。
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