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「あああ、っつーかこんなことしてる場合じゃねー!遅刻遅刻っ!」
今度こそ玄関を出ようとする。
「いってらっしゃい、正紀」
「いってきまーす!」
笑顔で手を振る父さんに、負けじと俺も大きく手を振りながら学校へと走っていく。
前見て、車に気をつけて!なんて慌てたように叫ぶ父さんの声を背中で受け、苦笑する。
ポケットの中に入った宝物をギュッと握りしめ、俺は前を向いて駆け抜けた。
寝坊はした。
だけど何か特別なことがある日、俺は大抵目覚めがいい。
そうだ、俺
高校2年生になったんだ。
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