第1章

7/7
前へ
/45ページ
次へ
「あああ、っつーかこんなことしてる場合じゃねー!遅刻遅刻っ!」 今度こそ玄関を出ようとする。 「いってらっしゃい、正紀」 「いってきまーす!」 笑顔で手を振る父さんに、負けじと俺も大きく手を振りながら学校へと走っていく。 前見て、車に気をつけて!なんて慌てたように叫ぶ父さんの声を背中で受け、苦笑する。 ポケットの中に入った宝物をギュッと握りしめ、俺は前を向いて駆け抜けた。 寝坊はした。 だけど何か特別なことがある日、俺は大抵目覚めがいい。 そうだ、俺  高校2年生になったんだ。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加