第2章

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ホームルームが始まるのは8時30分からであり、現在の時刻を見てみると....... 「げ、8時20分!」 ここから学校まで走って10分、ぎりぎり間に合うかもしれない。 「中学で陸上部だった、俺の脚力舐めんなよ!」 まあ幽霊部員だったけど。 長距離よりも短距離タイプだけど。 でもこういう時に限って信号が赤になったりするんだよな。 全速力で通学路を駆け抜けた俺の息は、ゼーハーと乱れる。 俺は交差点の赤信号を恨めしく睨んだ。 「.....っはぁ、はぁ。あと5分っ!」 ちらほらと同じ学校の生徒もいるが、焦っている様子はない。 息を切らしている俺を数人は訝しげに見てくる。 くそっ、なんで俺だけ急いでるんだ。 てめえらも遅刻しちまうだろ、そのペースじゃ。 と舌打ちをするが、俺だっていつもだったら平気で遅刻してる。 でも今日は違う。 今日だけは、特別な日だから。
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