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「琢磨、早くー」
市井 琢磨の母・由香里が息子をせかしてる。
そう、今日は琢磨の幼稚園入園日!
季節は春。
暖かい日差しは、何か力をくれてるように感じる。
幼稚園では、たくさんの親子が集まってる。
父・市井 敦がある親子を見掛けると、
「先生、おはようございます。」
この町の有名な病院の院長で、敦の幼なじみの浜沼 健介である。
「敦、おはようございます。」
側には息子・慎二が後ろに隠れてる。
「しんちゃん、おはよー」
琢磨は元気よくあいさつをした。
慎二もあいさつをした。
健介「敦、お互い揃って、息子が幼稚園デビューなんて、運命を感じるな」
敦はうなずいた。
敦「琢磨、笑顔は大事だぞ。笑顔はなぁ~、人を幸せにするからなぁ~」
この時、彼らに起こるドラマは、まだ誰も知らない!
幼稚園生活も2年が過ぎ、琢磨と慎二は同じクラスの鮎川 あかりと高橋 和也といつも遊んでた。
あかり「たくちゃん、バスごっこ しよぅ」
琢磨「いいよ。お客さま~、乗車される場合は、お金を払ってくださーい」
あかりは琢磨のほほにチュウをした。
顔を赤くして「お金ないから」
琢磨も顔が真っ赤になり:「しゅっぱつゅーします。他に乗車される方はいますか?」
和也「ぼくも乗るー」
慎二「ぼくもー」
琢磨「しんちゃんは乗せないもんだー、へへへぇん」
慎二「チュウするからー」
琢磨「いやだー、しゅっぱつしまーす、ポッポー」
あかりと和也は、ケタケタ笑いながら、ニコニコしてた。
しばらくして、幼稚園の迎えに来てた敦は「みんな、今日はみんなで動物園に行くぞー」
「まぢー、ヤッター!」
駅に着くと、子供たちは走り出した。
敦「コラッ、走ると危ないぞー」
敦は慌てて追いかけた。
あかり「ねぇ、ねぇ、あたし、リスにさわりたいー」
慎二「ぼくは、ライオンにさわりたいー」
あかり「あははっ、しんちゃん、たべられちゃうよ」
あかりは、笑いながら走り出した。
っと、その時、駅の改札までにおりる階段をあかりは、足を踏み外して転がりそうに宙に浮いた
あかり「きゃあー」
琢磨は、とっさの判断であかりの手を握ると、
思いっ切り、後ろに引っ張った。
あかりは、平らな場所にコケ、琢磨はあかりの無事の姿を見て一瞬、微笑み、階段を転がった。
敦は大声で叫んだ「琢磨ー」
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