11.理佳の家族 

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「理佳の傍には最後までいる。  そうやって俺は決めてます。  俺は親父に比べたら何も出来ないし、  理佳よりも年下だし、まだガキかも知れません。  だけど……そんなガキの俺だからこそ、  もしかしたら理佳の心に寄り添えたのかも知れないって  俺は思ってます。  理佳が教えてくれた、妹の代わりには俺は慣れないけど  多分……それでも、ガキだから出来ることがあるんだと思うんです。  今、理佳と離れること、離されることの方が俺には耐えられないから。  明日も明後日も、明々後日も……時間が許す限りは、  また理佳のところに訪ねてきます。  じゃあ、今からスタジオで練習なんで、今日は失礼します」 そう言いながら、家族待合室を後にする。 アイツを待ち続けながら、俺は……今もベースの練習を繰り返す。 バンド活動は、確定メンバーは俺と隆雪の二人。 それ以外は、怜さんが手配してくれたメンバーに助っ人を頼みながら 音楽活動を地道に続ける。 理佳……早く戻って来い。 元気になって、また出掛けよう。  2月は寒いから……暖かくなったら。 何時か……理佳と、 理佳のお父さんやお母さんとの間の傷を 俺が補って見せるから……。  何があっても、 俺が理佳を守って見せるから……。 そんな祈りを抱きしめて、 俺は時を過ごし続けた。
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