11.理佳の家族 

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12月12日 今日、勇気を総動員して伝えられたよ。 託実、凄く驚いてたけど 内心、断られるんじゃないかってビクビクしてた。 心臓、バクバクして不整脈起こしたらどうしようって凄く心配になった。 託実が誘ってくれた、25日のクリスマスのLIVE。 行ければいいなー。 私が行けても、行けなくても託実にはステージで輝いてほしい。 ベースを演奏してた託実は、かっこよかったから。 * 理佳の日記は、12月23日を最後に空白のまま。 今も向こうの部屋で、 病気と闘い続ける理佳が凄く愛おしくなった。 その日記をアイツの両親に返すと、 両親は、ゆっくりと立ち上がって病院を後にした。 両親が病院を後にしたってことは、親父が待合室待機を言ってないってことだとたから アイツの病気は危険な状態ではないのかもしれない。 そんな風にも思えた。 その後もアイツは、集中治療室のまま年の瀬、年越しを迎え 俺が三学期が始まりだしても、一向にその部屋から出てくることはなかった。 それでも毎日ように学校の後は、アイツの病室に顔を出して アイツが病室に戻っていないと、家族待合室へと顔を出した。 あの場所で時折、会うようになった理佳の両親は アイツの今の状態を少しずつ話してくれるようになった。
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