14.19歳の誕生日 

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4月1日。 もう一度、桜の花を見ることが出来た誕生日。 病室でその年も19歳を迎えることが出来た私の元には、 例年になく、誕生日のお祝いが集まった。 両親が持ってきたのは誕生日ケーキ。 食べることが出来ないケーキは、 あくまで両親の気持ち。 実際の私に届けられたのは、 小さなカップに入っている蒸ケーキのみ。 そんな小さな蒸ケーキを、 かおりさんや、左近さん、託実くんに宗成先生たちと 一緒に食べた。 何時もは病院の看護師さんと先生だけで終わってしまう誕生日が 今年はとても賑やかだった。 午後になると、久しぶりに姿を見せた宝珠さん。 宝珠さんからも、誕生日のプレゼントを貰う。 宝珠さんからは、 楽譜を止める為の可愛らしいクリップを手渡された。 そして裕真さん経由で届けられた、 裕先生からの誕生日プレゼント。 四葉のクローバーの小さなペンダント。 冴香先生からは、 いつもの様にメッセージカードが午後から届く。 1日中、誰かが順番に病室を訪ねては 誕生日を祝ってくれて、短い一日が過ぎてしまった。
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