15.GW 

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学院祭の廣瀬が叩いたドラムよりも、豪快でパワーのあるドラミング。 手数・足数の多さに、思わず見とれてしまうほど 圧倒するようにドラムパフォーマンス。 そんなドラムに負けないように、相棒の音を大きくして支えようとするものの 気が付くと、ベースの俺がドラムの足を引っ張ってる。 ドラムは、他の楽器よりも音が大きくて演奏しはじめると モニター越しでないと他の音が聴こえなくなる。 その分、ベースがリズムをキープしてドラムを支える。 それが本来のベーシストの役割なのに、ベースの俺がリズムを乱して、 ドラムの智さんに支えて貰ってるような有様だった。 そんな状態のまま本番を迎えられるはずもなく、 負けず嫌いの本領を発揮する俺は、 メトロノームを正面に、延々とスタジオで地道な練習を取り返して バンド練習に備える。 本番までの残り少ない間、理佳のことは親父たちに任せて 俺は隆雪と練習に開け続けて、3日の本番を迎えた。 SHADEの演奏の前に、いつもの様に時間を貰って演奏した俺たちは 練習の成果か、まとまった演奏を送ることが出来て、 沢山の拍手と声援を貰えた。 そんな拍手と声援が、必死に頑張ってきた努力の時間を 優しく包み込んでくれた。
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