15.GW 

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助手席から時折、後ろを振り返ると 肩から鞄をぶら下げた理佳は、嬉しそうに車窓から眺める景色を楽しんでるみたいだった。 理佳の隣には親父が居て、その後ろには理佳の両親が座ってる。 途中高速道路で、理佳のお父さんが運手を代わり 母さんが助手席。 俺は後ろの席へと移動することが出来て、 久しぶりに理佳とのゆっくりした時間を得ることが出来た。 車の中で、嬉しそうに微笑む理佳を見ながら 俺たちは他愛のない会話をする。 昨日の俺のLIVEの話、学校の話。 そんな話を聴きながら、 理佳は嬉しそうに笑い返してくれた。 「託実、ベースは?」 「相棒は持ってきてる。  アンプとかはないけどな」 「うん。  それでもいい。今練習してる曲、後で聴かせて。  託実の演奏聴くの久しぶりだから」 そう言いながら理佳は、また笑った。 病院を出て1時間ほど車を走らせた頃、 車窓から、真っ青な海が広がっていく。 そんな海を見ながら、また嬉しそうにはしゃぐ理佳に 親父が「理佳ちゃん、少し落ち着こう。体に負担がかかるから」そんな風に 窘める【たしなめる】ほど……。 親父に窘められて、両肩をキュっと持ち上げると 怒られちゃったって言う様に、また笑った。 何もかもが今のアイツにとっては新鮮で、 楽しいのだと伝わった。
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