17.夏が連れていく 

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夏がアイツを連れていく……。 そう言われているみたいで、 凄く不安になって、 俺はその夜、帰宅してから……ベッドの上で 体を小さく縮めて体育座りをしながら、 両手で俺自身を抱きしめた。 理佳のことを思いながら…… その時が来ることに怯えながら。 八月になって……もうずっと逢えないと思っていたアイツは、 病室に戻ってきた。 理佳自身のたっての希望で……。 そして……その本当の意味を知った時、 俺は思わず壁を拳で叩き付けた。 * 大好きな託実と…… 大切な人たちとの最期を大切に過ごしていきたいから……。 * 夏休み……最後の二週間。 俺は毎日の時間を惜しむように、 アイツの元へ通い続けた。 アイツを…… アイツの旅立ちをこの目で刻み込む為に……。
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