18.夜想曲 ~Last Note~ 

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宗成先生たちが、 どれだけ頑張って手を尽くしてくれても 日に日に、体力も気力も奪われていく。 カーテンに仕切られた空間で、 機械に繋がれて、動くことすらままならない現実。 託実と過ごした、 あの場所にもう一度戻りたい。 本当にこの命が尽きようとしてるなら、 その時がいつ訪れてもいいように…… あの場所で、皆にお別れが言いたかった。 思う様に話せない言葉だけど、 私には……まだ耳がある。 目がある。 皆の姿を自分の中に刻み込むことも、 声を受け止めることも、 あの場所なら出来る。 だけど……この部屋では、 お父さんとお母さん以外、会うことは出来ないから……。 【最期】。 その瞬間を意識すればするほど、 皆のことが脳裏に浮かんで行く。 ずっと昔から、死ぬことなんて怖くないんだって 自分に言い聞かせてきた。 私はいらない子だから……。 私が生きていても、家族の迷惑になるだけなら 私の存在なんて、消えてなくなればいい。
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