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そんないつもと同じような言葉を吐き出しながら、
堂崎さんの表情がいつもと違うは、
もうわかってる……。
心配してくれてのは伝わってるから……。
「ご・め・ん」
小さく絞り出すように謝る。
「理佳、いっつもいっつもゴメンゴメンって。
本当にゴメンって、思ってるんだったら
もう少ししぶとく生き続けなさいよ。
私たちライバルなんだからね。
理佳が居なくなったら、私張り合いなくなっちゃうでしょ」
堂崎さんはそんなことを言いながら、
私が眠るベッドを、ポカポカと叩いた。
再び目を閉じて引きずり込まれる時間。
その場所では、大好きな小さなモモが
私にずっと笑いかけてくれてた。
そんなモモを抱きしめたくて、
ゆっくりと手を伸ばすと……
誰かが私の手を掴んでくれたみたいで、
その温もりに引き寄せられるように目を開けた。
耳に響いているのは、
頭の中だけで必死になり響いていた
私が作ってきた曲たち。
「理佳ちゃん、目が覚めた?」
そう言って私に声をかけてくれたのは、
もう一度会えた裕先生。
ぐるりと視線を映すと、
託実や、お父さん・お母さんたちの姿も確認できる。
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