4.練習と曲作り~裕先生の寄越した人~

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気が付けば昼食時間。 昼食の後も、ずっと演奏を聴きこんでは 指先は空中を動き続ける。 ここのトリルをもう少し、指をしっかり早く動かさなきゃ、滑りやすいなー。 なんて独り言ばかりが口をついて出る。 14時までの時間はあっという間で、 私は来客が来たことすら気が付けずに、イヤホンから聴こえ続ける音に指を無心に動かし続けてた。 ようやく耳から届く演奏が終わって、 めくりつづけた楽譜を最初に揃えて、もう一度再生させようとした時 ふと、私の肩を触れる存在に驚いて、顔を上げる。 「練習中のところごめんなさい。  約束の時間なんだけど、宜しくて?」 顔を上げた先には、声をかけた女の人と、髪の長い男の人が二人。 「あっ、すいません。  えっと……裕先生の紹介で来てくださったんですよね。  ごめんなさい」 慌ててイヤホンをはずして、ベッドの中で慌てていると 女性の後ろに居た、少し若い男の人がゆっくりと慌てる私の手を止めた。
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