5.学院祭LIVE決定

7/9
前へ
/167ページ
次へ
此処……生徒総会は、そんな場所なんだよ。 裕兄さんも、一綺兄さんも、宝珠姉さんも総会関係者。 選ばれた存在。 俺は生徒の支持によって入れる、生徒会メンバーに選ばれることはあっても 理事会の支持によって入れる、生徒総会メンバーには入れることはない。 「久禮くん、託実の為にわざわざ感謝するわ。  大丈夫よ、本当に男の癖に肝が小さくてよ。  託実、彼女が出来たんでしょ。  理佳ちゃんが嘆いてよ」 そんなことを言いながら、迎えにきたその人は パレスの中に戻っていく。 そうだよ……旺希叔母さんの娘である、宝珠姉さんは 昨日、理佳と一緒だった。 何処まで俺と理佳のこと知ってんだか……。 うなだれるように肩を落としたまま、 パレスの中へと歩いていった。 通されたのは、パレスの1階エントランスの奥にある会議室。 そこには三校の生徒総会メンバーが勢ぞろいの上、 昨日会ったばかりの怜さんの姿があった。 輪の中心に居るのは、一綺兄さんや裕真兄さん。 学院祭前だから、兄さんたちは運営準備が優先なのか……。 そんなことを思いながら、その部屋へと入り ゆっくりと膝を折った。 学院のトップ、生徒総会メンバーに対する一般生徒の儀式。 俺の隣には、デューティもまた同じように膝を折る。 正面には、三校の生徒総会の長になる、昂燿校の最高総と最高総補佐。 その両脇には、悧羅校と海神校の最高総と最高総補佐が立つ。 その両サイドには、役員に連なる存在が順に見守るように視線を向けた。
/167ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加