6.LIVEに向けて 

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こんなこと……冴香先生に逢いたいって、 我儘をいったその時以来……。 「わかった……。  だったら理佳ちゃんは、このまま学院祭の当日まで  体調を安定させること。  託実、お前も理佳ちゃんにストレスを与えるな。  彼女にとってのストレスは、何時命取りとなるかわからない。  毎日、理佳ちゃんを安心させてやれ。  バカ息子」 そう言って、宗成先生は託実の背中をバシっと叩いた。 「理佳ちゃん、二時間したら迎えに来る。  先生は上で妹と話してる。  体調が崩れた、このボタンをすぐに押しなさい」 そう言って、お遊戯室に行ったときに手渡されるものと同じものを 渡されて首から下げた。 その後、久しぶりに託実とゆっくり会話をして、 隆雪君とも話して、心の中のモヤモヤガゆっくりと晴れていく。 Ansyalと呼ばれていた、隆雪君の夢のバンドは 再び、ガラスの向こう側へと集まって何度も何度も、注意されながら 演奏を仕上げていく。 学院祭のLIVEに向かって、 真っ直ぐに突き進んでいく、そんなパワーを感じながら 私の中にも、熱くなる思いを感じた。
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