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そこは暗く大きな部屋の中心。
少し高く創られた台の上には二人の…否、二匹の獣が立っていた。
そのうちの一匹、翼の生えた獣は大きなため息をついた。
そのため息には疲労感と少しの安心感を含み、口元には笑みを浮かべている。
「無事に終わって良かった。」
翼を震わせて全身のカを抜いた。
顔を持ち上げて、もう一方の獣を見上げる。
「お前、これからどうするんだ?」
見上げた獣に翼は無く、がっしりした体がこの獣を支えていた。
大きな獣はゆっくりと口を開けて、 言った。
「知らねえよ、んなもん。めんどくせえ」
問うた獣は静かに、笑った。
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