笹木毬奈 17歳

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彼が脱獄した理由は、 恐らくあたしにあるだろう。 脱獄したと聞いた矢先には怖くて言えなかったけど、 彼はあたしを見つけに来る。 もし本当に見つかったら・・・あたしは・・・。 何も考えられない。 彼の辛い人生を思う。 憎んでいた母親のこと。 母親は、 溺愛、 していた。 『・・・・・・こんな女を・・・っっ!!』  あたしを発見したときの雅也の母親の第一声は、 これだった。  異常な母親の行動。  雅也が母親を拒絶するようになるまで、 母親は毎月2回雅也の家へ来ていた。 あたしがいる部屋には雅也は誰も通さなかった。 リビングから、 様々な声や物音を、 数年間聞き続けた。
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