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何故、私という人間を認めてくれないのか。
母にとって、出来そこないの子供でしかない自分を哀しんだ。
しかし、もしかしたらと思い直す。
最初のきっかけはそうでも、きっとその後は私を友達と認めて、それで付き合ってくれたんだよね?
きっと、そうだ。だってあの笑顔は嘘じゃ無かった。
私は自分を鼓舞して学校に行き、何も無かったかのように以前と同じように過ごした。
いや、同じでは無かった。
ちーちゃんが私の事をちゃんと好きでいてくれる事を確信したくて、少しずつ言動が歪んでしまったのかも知れない。
嫉妬に苦しみ、彼女を縛るような事を言ってしまったのかも知れない。
1月末の私の誕生日に家に来てと頼む私に、彼女は言いずらそうに答えた。
「ゆいちゃんとだけじゃなくて。みんなと一緒がいいよ。」
「うん、分かった。」
そう答えた。
誕生日は一人で過ごした。
愛想を尽かされたんだ。
あまりにも、寄り掛かり過ぎたんだ。
母と同じじゃないか!
私はもうちーちゃんに声をかける事は出来なかった。
ちーちゃんも、話し掛けて来なかった。
彼女が友だちと楽しそうに廊下を歩いている姿に、何度か遭遇しては、胸が潰れそうになった。
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