第2章

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「貴方とメイスさんには読める、と。……ラリアが起きたら彼にも読ませてみましょう」 「カランディス、もしかして自分だけ読めないことがちょっと悔しかったり――」 「あのねえ。そんな子どもじみた理由のはずがないでしょう。……記憶喪失に関しても彼が一番重度ですから。何か少しでも手がかりになればと思っただけです」  ベルベーヌと顔を見合わせたあと、メイスは嬉しそうに「そうだね」と頷いた。 「……なんですかその顔は」 「いやいや、カイもちゃんとラリアのこと考えてたんだなぁって。喧嘩しながらも」  メイスの嬉しさを隠そうともしない声に、カランディスは呆れたようにため息をついた後「……私の身がもたないので早く目覚めてくれませんかね」と一人呟く。
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