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無邪気な笑顔で、できないって言われたら。
他の先輩たちは、許してしまった。
それから他の先輩たちは、わたしたち後輩に尻拭いをさせて。
後輩の誰もが我慢をしてやっていたのは、ころね先輩を慕う先輩たちの数がとても多かったから。
楽しい学生生活を送るには、我慢は必要だった。
けれど、わたしは違った。
ころね先輩のように、明るい姿なりたかったし。
あの笑顔を消したくない、と思っていた事もあったから。
今、振り返ってみると。
すごく、すごく。
憎くなるし。
異常なくらいに、悔しい。
いつまで、先輩を甘やかすんだ。
そう、わたしは思っている。
今でも。
式の準備している最中、仕事関連の連絡を彼にするため、わたしが準備をしている部屋に行った時も。
すごく嬉しそうな笑顔で、髪の毛をまとめてもらっていた。
彼であるキョウくんは、あの事件があってから本当に冷たくなったし、最近は、会う回数も減った。
そろそろ、別れる時期なんだろうなって思う。
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