「きみの想いは、ボクの声」

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「あなたのお名前は?」 美空に訊かれてボクは、 「ボ、ボ、ボクはきみのファンなんだ、だ、だ、大好きなんだ!」 緊張してドモってしまった。しかも二度目の告白。 美空はキラキラの瞳を見開き、小さな口をOにした。 その表情がクシャとなり、そして笑顔に変わった。 「わたしの歌手ファン1号さんですね?」 美空が微笑んだ。 「……!?」 ボクが混乱してると、美空はニヤリと小悪魔の笑みをした。 呆然とするボクのCDを取り上げると、サラサラと何かを書いた。 「ありがとうございました」 ペコリとお辞儀した美空は、天使の微笑みを浮かべた。 列を離れてCDを見ると、そこに書かれていたのは、 【やっと見つけた、わたしの翼】 その横には数字の羅列。どうやら携帯番号のようだ。 天使の贈り物が、ボクの宝物になったんだ。
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