「きみの想いは、ボクの声」

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ーーーーーーーーーーーーー ボクは運送業の仕分けを仕事にした。 美空の一件以来、緊張してドモルことがなくなった。 生ゴミ女子が、燃えるゴミまでレベルアップしたカンジ。 ボクの環境が変わったのと同じく、文色 美空も変わった。 主演した映画はヒットした。 なにより美空が主題歌『My wings』を歌い、ミリオンヒットになった。 その初CD記念コンサートが開かれる。 もちろんボクは美空のファンなので、一番乗りで会場にきた。 コンサートは大盛況だった。 ソレにもまして、生の美空を拝めるのが、ボクには感激だった。 ボクは美空の歌う姿に感涙して、その歌声に陶酔した。 生で聴く美空の歌声は、まさしく天使の歌声だった。 ボクの声でなく美空の歌声は、地上の奇跡である。 コンサートが終わって、異例のサイン会がおこなわれた。 長蛇の列に並ぶボクは、女子も大勢いることに安堵した。 やはり美空は、同性にも愛されているのだ。 もっとも、ボクの愛は別格だが。 ボクの番がきた。 美空を至近距離で見たボクは、至福の絶頂だった。 ショートボブの髪、広くて可愛いオデコ、形の良い眉、キラキラと光る瞳、美空は天使のように輝いていた。
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